今回は指定校推薦の「デメリット」とについて考えてみたいと思います。
少し耳の痛い内容も記載していますので、嫌な気分になった方は途中で読むのをやめていただければと思います。
どうぞよろしお願いいたします。
① 大学と自身の偏差値にギャップがある
よくある事ですが、入学した大学の偏差値との自身の偏差値にギャップがあるということです。
在籍している高校にもよりますが、ある程度激しい競争の後に内定を勝ち取った生徒ですら、入学した大学との偏差値にギャップがあると思います。
例えば、関関同立やMarchに指定校推薦で入学した場合に、指定校推薦で入学する生徒さんの偏差値は高くても「日東駒専にどうにか入学できるレベル」といった感じではないでしょうか。
「とある科目」はMarchレベルに近い偏差値があっても、「複数科目」をMarchレベルまで高めている生徒さんは少ないと思います。
ただ、稀にご家庭の事情で、受験費用をあまり掛けられないといった理由で、指定校推薦を選択している生徒さんもいると思うので、偏差値ギャップが必ずあるとは言い切れないところです。
(例えば、お兄ちゃんやお姉ちゃんが理系の大学に進学し費用がかかるので、弟や妹は推薦で家から通える関関同立やMarchに手堅く通うといった感じでしょうか。)
② 「努力の才能」が磨かれない
成人するまでに努力するタイミングってどういった時があるでしょうか?
小学校時代であれば習い事なんかがありますね。ある程度のレベルでやっている場合は努力する能力が磨かれると思います。 ピアノにしても、お習字にしても、サッカーや野球などのスポーツにしても、全国レベルでなくても県や市などである程度高いレベルでやっている場合は技術を研鑽するということがどういうことかが感覚的に分かっていると思います。
習い事系に関しては、中学で始めた場合でも高校で始めた場合でもレベルによっては努力する力は身に付きますし、途中はじめた場合、高いレベルでなくても、少し年を重ねてから始められること自体が才能かもしれません。(10代であっても!!)
中学や高校になると、「高校受験」や「大学受験」でこつことつ努力する才能や経験が磨かれると思います。
ですので、どこかでそういった経験をしていれば継続したりすることの感覚がわかるとおもいますが、そういった経験がないまま、指定校推薦で大学に入学してしまうと「努力そのものが分らない」ということになりかねません。
③ 進級出来ない可能性 退学するリスク
文系のことしかわかりませんが、「英語」「第二外国語」「各学科の必須科目」は単位を取らないと進級出来ないことになりかねません。
ですので、及第点でかまわないので単位を取得できるレベルの能力が必要であり、それがなければ留年・最悪の場合大学に行かなくなって退学といったケースもでてくるのではないでしょうか。
理系の場合だと、特にしっかりと大学の講義や研究についていくことが求められますので、理系の方が偏差値ギャップの影響は大きいのではないでしょうか。
ただ、大学というのはおもしろいところで、偏差値以上に「友達を作ったり」「先輩にかわいがってもらったり」する能力があれば案外乗り切れるところでもあるのはないでしょうか。(ちょっと話がそれた??)
④ 追い込む能力がない
努力する才能にも関連しますが、「追い込む能力がない」「持続力がない」「プレッシャーに弱い」といったことが多くなる可能性があります。
一般入試で受験する場合、受かるかどうか分らない中で努力する必要があります。それって大変なことだと思います。大人でも大変ですよね。
長ければ複数年、短い場合でも1年は継続して受験勉強をする必要があります。特に高校3年の夏場以降は勉強をすることも大変ですが、成績が伸びない時期などがあると精神的にもきついと思います。仮にそういった時期を経て意中の大学に合格したお子さんなんかは社会人になっても努力ができ、「胆力」もあると思います。
(受験当日のプレッシャーなんかもう半端じゃないですよね。特に国立を目指しているお子さんの「共通テスト」当日のプレッシャーはすごいと思います。)
⑤ 広い出題範囲を勉強することが苦手
指定校推薦の場合、基本的には定期テストを頑張ればよいのであり、各定期テストは短期決戦です。(定期テストはテスト期間前1・2週間の短期決戦)
また、出題範囲も2か月半程勉強した期間の中で出題されるだけです。
一方、一般入試の場合、広い出題範囲の中から出題されます。
例えば、日本史であれば「縄文時代~近代」の中から幅広く出題されます。
その中で大学毎の出題傾向なんかを考えて勉強する能力が磨かれます。出題予測もするでしょうし、勉強しない範囲を捨てる能力もこれまた磨かれます。
定期テストだけだとなかなか難しい部分ですよね。
⑥ 自信がない
上記のような状況なので、傾向として自分に「自信がない」ということになる可能性があります。
ただ、「習い事」「部活」「得意科目」があれば、そういったこともないかもしれないので、そういったところを伸ばしてあげるのも良いのかもしれません。
指定校推薦で大学に行くので、その分部活を高校3年生までやって、レギュラーをつかみ取ったりするとそういうことで自信はついていくと思います!
⑦ 資格試験に受からない(受かる感覚が分らない)
「努力したことがない」「追い込む力がない」「広い範囲から回答を導きだせない」「自身がない」といった上記デメリットに関連して、「資格試験に受からない」ということに繋がってきます。
文系であれば、公務員試験・中小企業診断士・社労士・税理士・公認会計士・弁護士などの試験をめざすこともあると思います。これらの合格は受験生みんなが勝ち取りたいものです。良いところまでいっても合格しなければ意味がありません。
なかなか合格できないという現実が待ち受けているかもしれませんが、大学時代に一度こういった資格試験にもチャレンジして「失敗する経験」「広い範囲を勉強する経験」「追い込む経験」をしておくと、今後の人生に役にたつかもしれません。
⑧ 大学で馬鹿にされる
入学して友達が出来た時に自然と会話のなかで「どこを受験した?」とか、「一般か?指定校か?」といった話題になると思います。
その際に、一般入試組に少し馬鹿にされる可能性はあります。
一時的に嫌な思いをすることはあるかもしれませんが、変に「一般入試で入った」と嘘をついたりするのは良くないと思います。
ちょっと極端かもしれませんが、「わたし、指定校で馬鹿だから、みんな頼りにしているよ!」とか「一般入試で入った人はすごい!尊敬する!」といった具合に、一般入試組のお友達の自尊心を上手くくすぐるくらいの臨機応変さがお子さんにあるといいですね。
(別に裏口入学で入ったわけでもないですし、正式な制度を活用しているだけですから!!)
今回はかなりネガティブなことを記載してしまいました。
嫌な気分になった方がいらっしゃたら本当にもうしわけございません。
(確かに!とおもっていただける部分があれば幸いですし、少し「心の準備」に活用いただけたのなら幸いです。)
本日も最後まで記事を読んでいただきありがとございました。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
